福岡県

トップメガ伊藤園 (原鶴温泉) ★4.5

単純温泉
44度 / pH8.3 / 毎分200L / 動力揚湯 / H27.12.1
Li+ = 0.12 / Na+ = 150 / K+ = 2.1 / Mg+ = 0.5 / Ca+ = 2.7
F- = 11 / Cl- = 42 / HCO3- = 260 / HS- = 0.2
SO4– = 9.7 / CO3- = 7.0
H2SiO3 = 51 / HBO2 = 10
成分総計 = 546mg

福岡県朝倉市杷木久喜宮1858−1
0946-26-2760
男女別内湯
500円
15:00 ~ 18:00?(要確認)

九州温泉ツーリング、この日の投宿先は原鶴温泉にある「原鶴グランドスカイホテル」です。
ただ、折角原鶴に宿を取りそこに拠点を置くからには、他にも色々と湯めぐりを楽しみたい!
と言う事で、立ち寄り出来そうな所を幾つもリストアップしており、まず最初に訪れたのがここ、トップメガ伊藤園です。

原鶴&筑後川温泉で入れる所には全部入ろう!
ただそれだけで作ったリストアップですので、ココがどんな所かサッパリ分からないまま到着。
外観はなんだか、お洒落な南国リゾートっぽいですね。

でも、最初に異変を感じたのは駐車場からです。
バイクを停めて、ふと見たら、駐車場になんか停まっています。
ローダウンされたベンツなのですが、なんだろアレ? 片方はナンバー外されており廃車っぽいですが、もう片方にはナンバーついています。
ナンバーついている方は走れるのだろうか?
いつから放置されているのか分かりませんけど、なんとも不気味な朽ち方をしています。

そんな車を横目に中に入ると、目に飛び込んで来たのが、ワイングラス片手にルネッサーンス!(古い!?)と叫びたくなるような、見るからにお高そうな調度品の数々。
さぞかしお高いホテルなのかなと思って身構えつつ「ごめんくださ~い」と、反応を伺いますが、誰もいません。

幾ら呼んでも無反応なのですが、さっきから「ピピッ! ピピッ!」「プーッ! プーッ!」と、セキュリティが起動しているのでしょうか? 色んな種類の電子音が鳴っています。

どこかで監視されているのかな?

大きな声で「こんにちは~!」「すみませ~ん!」と呼びながら、館内少しずつ奥に進むと、更なる不思議空間になっていました。
なんか凄いですね、何というか、どれを見ても価値の高そうなアンティーク家具が並んでいます。

幾ら呼んでも、受付にあるチーンって鳴るベルを叩きまくっても、誰も出て来ません。
さすがにもう帰ろうかともおもいましたが、折角ここまで来たのだからと、試しにホテルの代表電話に掛けてみたら繋がりました。

「すみません、立ち寄りでお風呂に入りたいのですが」
「大丈夫ですよ、いつですか?」
「あ、既にもう着いてます」
「じゃあフロントのお盆の下に500円を置いておいて下さい」
「え? お盆の下ですか!?」
「はい、お盆の下です、お風呂は奥にありますのでご自由にどうぞ」

絶対断られると思ったら、びっくりするほどアッサリと入浴OKになりました。
それにしても、何とも不思議なやり取りです。
しかし、なんでお盆の上じゃなくて下なんでしょう?

その間も謎の警報音がずっと鳴っています。
きっとどこかで見られているに違いないと思い、ちょっと大げさに「ちゃんと500円置きましたよ!」アピールしながら、言われた通りにお盆の下に入れて、更に奥へと進みました。

奥もなかなか凄いですネ・・・
どれを見てもお高そうなモノばかりなのですが、それを誰もいない無人のホテルでアンティーク鑑賞するのは、なんだかとっても落ち着きません。

男女別浴場の入口には、仏像なのかな?
洋風と思いきや、いきなりのアジアンです。

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さて、そんな所なので、お風呂は一体どんな事になっているのだろうと、少し期待しつつ入りましたが、脱衣所を見る限り普通です。
洗面台の前に置かれた椅子がドラムみたいな、南国リゾートとかにありそうなモノでした。

浴室の方も、パッと見では普通。

でもよく見ると、壁や湯舟のタイルにこのホテルの世界観が滲み出ていますね。
オシャレだと思いますし、可愛いとも思います。

でも、こんなに作り込まれていて、その分お金も掛かっていそうなのに、無人ってのはモッタイナイ。

湯舟はひとつで、一部が寝湯になっていました。
その奥には板の間?があります。
ここには元々もうひとつの湯舟でもあったのかな?
今では寝転がるくらいにしか使えないスペースになっています。

湯口は金魚かな?
そこから源泉がドボドボと注がれていました。

お湯は無色透明、ほんのり甘い硫黄臭が香り、肌触りは少しですがツルツル、ハッキリ言ってかなり良いお湯です。
湯花は無く泡付きもありませんが、浴槽内のお湯は40度くらいで少し温めなのもあり、ゆっくり浸かる事が出来てかなり気持ちが良いです。

なんとカランから出るお湯も温泉で、シャワーから出るお湯から硫黄臭がプンプンします。
ちなみに成分表で見ると硫化水素イオンが僅か0.2mgとありますが、明らかにそんな濃度では無い程の硫黄臭がしました。

天井が高くて湯気蒸す事も無く、採光も良いので、快適な温泉です。

お湯は文句無しに素晴らしいです!
浴室の雰囲気も良いし、湯使いも申し分ありません。
ほんと、最高!
しかも他に誰もいなくて、誰に気兼ねする事無く寛ぐ事が出来て快適です。

でもナンダロウ、どこかちょっと落ち着かないというか、ソワソワしちゃうんですよね。
ここだけ異次元と言うか異世界と言うか、なんか変な所に迷い込んでしまった感じがします。
不思議な空間です。

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帰り際にフロントで「ありがとうございました~!」と言ってみましたが、当然の事ながら、何の返事もなく。
ずっと鳴りやまない警報音に見送られながらその場を後にしました。

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浴後、B級な温泉が大好きな温泉仲間、北海道にお住まいのGさんに即行で報告しましたよ!

一般ウケはどうかと思いますけど、一部の温泉マニアには強烈に刺さると思います。
今回の九州ツーリングでもトップクラスの印象を残した、ほんとうに素晴らしい温泉でした!

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2025年 5月14日 - 初訪問・日帰り入浴

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