田沢湖高原温泉秋田県

宿 小町や (田沢湖高原温泉) ★4.0

含硫黄-カルシウム・マグネシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩温泉
(源泉名:水沢温泉1,2,3,4号及び新源泉1,2号(混合泉))
54.5度 / pH6.4 / H27.12.8
Na+ = 130.6 / K+ = 27.2 / NH4+ = 13.5 / Ca+ = 170
Mg+ = 82.2 / Sr+ = 0.4 / Mn+ = 1.9
Cl- = 103.6 / Br- = 0.1 / I- = 0.1 / HS- = 0.8 / S2O3- = 1.3
SO4- = 628.8 / H2PO4- = 0.7 / HCO3- = 389.4
H2SiO3 = 278.7 / HBO2 = 5.2 / CO2 = 356.5 / H2S = 3.6
成分総計 = 2195mg

秋田県仙北市田沢湖生保内駒ヶ岳2−146
0187-49-7260
男女別内湯
日帰り入浴のみ不可

2025年・夏

今年は北上する事にしました。
ひと昔前であればわき目も振らずに温泉めぐりをしていた私ですが、子供がいるとそんな事も出来ないです。
と言う訳で、子供への社会科見学&勉強を兼ねて、三陸観光しながら北上する事にしました。

日本全国、特に東北はあちこち行っていると自負している私ですが、実は三陸には殆ど来た事がないのです。
だって、三陸ってあまり温泉無いですからね・・・

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自宅を出発したのは8月10日の夜の9時頃。
車で夜通し走って、朝の6時頃に陸前高田にある奇跡の一本松に到着。

津波に呑まれる事なく生き残った一本松ですが、最終的には津波で受けた塩害によって枯死しました。
現在残っているのは保存処理されたモニュメントですが、復興のシンボルとして同じ場所に立ち続けています。
大津波で甚大な被害が出たここ陸前高田で、この松がどれだけの人達を励ましてきたかと思うと、胸にこみあげてくるものがあります。

ただ残念なのは、そんな話を子供達にしたかったのですが、早朝過ぎたせいもあり、長女はチラっと見るだけ見てすぐにまた寝てしまい、次女に至っては爆睡していて起きてすらくれませんでした。

でもまぁ、良いんです、来た事があるってだけでも子供達にとっては財産ですから。

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その後、奇跡の一本松から程近くにある碁石海岸へ。

相変わらず子供達は寝ていたので、紅鮭と二人で散策しましたよ。

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そのまま三陸海岸沿いを北上し、次に到着したのは北山崎。

さすがに子供達も起きたので、一緒に散策。
これがリアス式海岸だよぉ~! なんて説明しながら、少しでも社会の勉強に役立っただろうか・・・?

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お次に向かったのは、マリンローズパーク野田玉川。
かつては日本有数のマンガン鉱山だったそうで、その鉱山を散策する事が出来ます。

単に洞窟として歩いていて楽しいのですが、途中にいるマネキンのマンガンボーイズが面白い!
ここはかなりハマりました、三陸海岸の観光でイチオシです!

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その後、久慈琥珀博物館で琥珀の発掘体験。
めぼしい写真が無いので文章だけでの紹介ですが、ここも凄く良かったです。
汗だく&泥だらけになりながら、琥珀の発掘を楽しみました!

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と言う訳で、三陸を一通り堪能した我が家。
本日のお宿は田沢湖高原温泉の「宿 小町や」さんです。

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ツッコミを入れる事が出来たアナタ!
さては東北の地理に詳しいですね!?

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まずもって、東京から陸前高田まで夜通し走る時点で狂っているのですが、そこから三陸海岸を沿って久慈まで北上し、何故か泊まる宿は田沢湖と言う意味不明な行程。

なんでそんな訳分からない行程になったかと言うと、途中で色々とプランが変更になったり、直前に計画立てたもんだから宿泊先が見つからなかったりと、まぁ、色々とあったからなのですが・・・

にしても、いくら何でもアホな行程だったと思います、でも楽しかった!!!

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と言うわけで、前置きがかなり長くなりましたが、三陸海岸とは全く無縁で、県すら跨いだ秋田県の田沢湖高原温泉にあります「宿 小町や」さんです。
田沢湖高原温泉には何度もお邪魔していますが、ここは初めてです。

表通りから一本裏に入った目立たない場所にあります。
小さな看板があるだけで、ナビを見ながら走っていても通り過ぎてしまったくらいです。

お出迎えしてくれたのはお宿のご主人、とても物腰が柔らかく、お部屋まで丁寧に案内してくれました。
書道家でもあるそうで、館内にはご主人が書いた書が展示されていました。

それとは別に、今どきのインバウンドに対応するためでしょうか、館内には多言語で案内書きされています。
素泊まりのみの自炊宿で、公式ホームページには湯治宿とありましたが、雰囲気としてはゲストハウスって感じです。

共有のリビングがあり、キッチンには食器類や一通りの調味料などがあり、自由に使う事が出来るのは便利ですね。
難点は付近にスーパーはおろか、コンビニすら無い事です。
宿に向かう遥か手前で買い出しを済ませる必要があるので注意!

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部屋は全部で4部屋、今回利用させて頂いたのは「我逢人」と言う4人部屋です。
ベッドメイクはセルフサービスで、シーツなどはベッドの上に置かれていました。

広さは充分にあり、広縁のようなスペースもあるので、次の間々していて快適なのですが、ベッドの配置が個性的です。
4つあるベッドの真ん中にテーブルを置いて夕食を食べましたが、なかなかシュールな光景になりました。

ちなみにこのお部屋、クーラーがありません。
東北の高原ですので、夏でも涼しいので普通は要らないのですが、この日は小雨だった事もあり、部屋の中の湿度が凄かったです。
つい先日立ち寄った那須にある旅館ニューおおたかの記事でも書きましたが、年に数度あるか無いかのクーラーが欲しい日に当たってしまったようですね。

最近は気候が不安定ですので、苦労も多いだろうなぁ~と言うのを感じました。

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と、まぁ、部屋については少し思う所もありましたが、温泉は申し分無し、とても良かったです!

男女別で内湯のみです。
口で説明するより写真で見てもらうのが早いですが、なかなか良い風情ですね!

少し気になるのは、湯舟の隣にある謎の空間。
昔はここに露天風呂でもあったのでしょうか?
涼む為に外に出る事が出来るのかな? と思いきや、扉は開かず外に出る事も出来ません。

ただ、この不思議空間のお陰で、こぢんまりとした浴室ですけど、閉塞感はありません。

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肝心のお湯は無色透明、湯底に基本的に白湯花、黄色や茶色の湯花も少し混じるものが沈殿しており、かき混ぜるとパッと舞い上がります。
お湯からはほんのりコールタール系の硫黄臭。
ダムに沈む前の川原湯温泉を思い出す、どこか懐かしい匂いがします。

田沢湖高原温泉や、その下流の水沢温泉のお湯には何度も浸かっていますが、そのどれとも似つかないんですよね。
とても気持ちの良いお湯なのですが、田沢湖のお湯にしては淡泊で優しいです。

湯口はパイプが湯底まで伸びるダイレクト注入方式。
そこから素手で触ると火傷しそうな程に熱い源泉が少量ずつ注がれています。
新湯投入量はかなり少なく、浴槽全体の温度はだいぶ温め。
ただ、利用者がほとんどいないのでしょうね、不思議と鮮度は悪くありません。

温いお陰で、体力の消耗を気にせずゆっくり入れるのが嬉しいです。
夜は勿論ですが、しっかり朝風呂も堪能しましたよ!(8~15時までが清掃時間なので朝風呂する際は時間に注意)

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ちなみに女湯はこんな感じ。

謎の空間が無いので雰囲気がだいぶ違いますが、これはこれで、かなり良い風情ですね!

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田沢湖高原には良い温泉が沢山ありますし、もう少し山の奥に行けば全国的にも有名な秘湯、乳頭温泉もあります。
そんな温泉激戦区で見つけた、ホッと寛げる静かなお宿。
自炊専門と言う事もあり、宿泊代金も良心的です。

あまり広めたくはないけど、みんなにオススメしたい、素敵なお宿です。

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2025年 8月 11日 - 初訪問・宿泊(素泊まり)

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