群馬県

松の湯温泉 松渓館 (松の湯温泉) ★4.5

含硫黄-カルシウム-硫酸塩温泉
(源泉名:松の湯温泉)
31.8度 / pH8.0 / 自然湧出 / R5.6.27
Na+ = 70 / K+ = 3.0 / NH4+ = 0.1 / Mg+ = 0.8
Ca+ = 527.4 / Mn+ = 0.1
F- = 0.4 / Cl- = 38.2 / HS- = 2.0 / S2O3- = 2.3
SO4- = 1355 / HCO3- = 12.2
H2SiO3 = 26.6 / HBO2 = 1.9 / CO2 = 4.4 / H2S = 0.2
成分総計 = 2040mg

群馬県吾妻郡東吾妻町松谷937−3
0279-67-3210
貸切男女別内湯 × 1
日帰り入浴のみ不可

1泊2食で9,500円くらい

私はどうも忘れっぽいんですよね。
どの温泉に入ったのか忘れてしまうので、入浴の記録やその時の思い出を残そうと思いホームページを作成しています。
そんなわけで、当ページのタイトルは「温泉備忘録」なわけです。

入った温泉すら忘れてしまうような私ですので、これから入りたいと思って気になっている温泉だって忘れます。
そんなお宿が日本全国沢山あって、温泉マニアであれば当然入っていて当たり前な所でも未湯な所が沢山あります。
その中のひとつがここ松の湯温泉「松渓館」さんで、随分と前から課題として泊まりに行きたかったのですが、すっかり忘れていました。
今回たまたま温泉仲間と話題に上がった事で思い出し、温泉仲間のYさんが急遽部屋を抑えてくれました。

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場所は道の駅「あがつま」からほど近くにあります。
この一帯は八ッ場ダム建設の影響で随分と雰囲気が変わりましたね。
もっと山の中にあるものと思っていましたが、幹線道路から入ってすぐの所にあったので拍子抜けしました。

ちなみにこの先には川中温泉「かど半旅館」があり、以前宿泊した事もあるので、目の前を通り過ぎた事がある筈なのですが、ほとんど覚えていません・・・

山間の傾斜に建てられた小さなお宿です。
宿泊は基本的に1日1組か、多くても2組しか受け付けていないとの事。

玄関先にはお湯がドバドバと捨てられていました。
Yさん曰く、浴室からの捨て湯だそうです。
凄い湯量です、しかも硫黄臭プンプン!

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宿につくと女将さんがお出迎えしてくれました。
この日の宿泊者は私達を含めて2組だそうです。
部屋は少し廊下を歩いた先、別の方達の部屋からは結構離れているので夜中でも安心して会話が出来ますね。

広々としたお部屋で、最初から布団が敷かれていました。
テレビはありましたが冷蔵庫は無く、トイレは共同。
お宿のすぐ隣には小川が流れており、部屋の中でも川のせせらぎが聴こえます。

造りとしてはちょっと古いですけど、これはこれで、なんだか落ち着くんですよね。
高くて立派なお宿には無い心地よさ。
高級旅館を否定する気は全くありませんけど、仮に同じ金額だったとして、私はこっちの方が好き。
とは言え、1泊3万円の宿の部屋がコレだったら、暴れますケドね、私w

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お風呂は貸切風呂が1か所あるだけです。
入りたい時は1時間ごとで、事前に予約をする事も出来ます。
一度玄関を出て、階段を少し降りた先にあります。

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いよいよご対面、待望のお風呂!
いままで色んな方々のホームページなどで散々見て来ましたので、どんな造りかは熟知していましたけど、いざ実物を目の前にすると感動しますね!

造りは古いです、かなり年季も入っています、でもしっかり手入れされているのが良く分かる、美しいお風呂です。
バランス良く色んな色が散りばめられたタイル張り、見ていてため息が出ます。

見た目だけでなくお湯も最高です。
ふんわり甘く香る硫黄臭、この硫黄臭は宿全体を包んでいたのですが、浴室に入るとそれが最高潮に達します。

湯舟は2槽に分かれており、左側手前の小さな湯舟は加温浴槽。
加温された源泉が張られており、好みに応じて加温湯を足して温度調整する事が出来ます。
加温されてしまうとボヤけてしまいがちな硫黄臭ですが、このお湯からはしっかり香ります。
これはこれで物凄く気持ちが良いのですが、それより凄いのがL字型の湯舟のほう。
右手前は浅くて寝湯仕様、左奥の方は深くなっていて、普通に肩まで浸かれる湯舟になっており、非加熱の源泉が張られています。

この非加熱源泉が最高に気持ち良い!!!

源泉は31度で、ずっと浸かっていると体温が奪われ、だんだん寒くなってくる温度です。
この日は10月中旬、気候はすっかり秋で、ぬる湯の季節ではありません。
でもこのお湯、一度浸かると離れる事が出来ないのです。
ふんわり甘く香る硫黄臭に、芒硝臭かな? 僅かに成分臭も感じます。

湯口は浴槽内にあり、物凄い勢いで新湯が投入されていて、湯舟からは常時盛大にお湯が溢れ出ています。
泉質的には湯花があっても良さそうですし、道路脇の捨て湯箇所では湯花で白くなっていましたが、浴槽内では確認出来ませんでした。
新湯が大量に投入されていますので鮮度が良すぎるのでしょうね!
浸かってじっとしていると泡付きもあります。

お湯から上がると体がサッと冷えます。源泉温度が低いのも理由のひとつですが、硫酸成分が多いのも影響していそうです。
真夏に入ったら更に気持ちが良いでしょうね。

控えめに言って、極上のお湯です。

源泉浴槽だと温いので、たまには加温浴槽に移って体を暖める必要があります。
でも、この行ったり来たりをしていると、あっと言う間に時間が過ぎてしまいます。

貸切時間は1時間、次の人が待っているかもしれないと思ったら、時間はしっかり守って出なければなりません。
最初は1時間もあれば充分だろうと思っていました。
でも実際入ってみて、そんなんじゃ全然足りませんね!
もし時間制限が無ければ、2時間でも3時間でも、浴槽に憑りつかれた妖怪みたくなっていたかも知れません。

大事な事なのでもう一度書きます。

極上のお湯でした!

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ちなみに食事はこんな感じです。
女将さんが丹精こねて作った真心料理。
決して豪勢ではありません、でも一品一品美味しいんですよね!

朝食も品数多く、とても美味しかったです。
事前情報では量が少ないと聞いていましたが、おひつのご飯も「こんな食べられないよ」ってくらい入っており、大食漢の私でも満足な量でした。

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チェックアウト前に旅館の裏手にある源泉を見せて頂きました。
以前(かなり以前)はこの源泉湧出箇所に湯小屋があり、近隣の人達や湯治客が利用していたらしいです。

山の中のちいさなお宿、続けて行くのは大変だと思いますけど、その灯を消す事無くずっと続けてくれたらなと願いました。

なかなか予約を取る事が出来ないようで、次に行けるのがいつになるか分かりませんけど、次は是非とも家族で再訪したいと思いました。

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2025年 10月14日 - 初訪問・宿泊(朝夕2食付き)

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